決算書に載らないリスク情報を知るには?
へ〜。
面白いと思った。
ここまで考えて株を買っているのかな?
参考URL:
http://money.jp.msn.com/columnarticle.aspx?ac=2008100800&cc=01&nt=01
決算書に載らないリスク情報を知るには?
2008年10月08日
相次ぐ上場企業の経営破たん。企業の破たんの危険性を見極めるためにも、隠れたリスク情報を活用しましょう。
前回、「銘柄探し、継続企業の前提に関する注記に注目」の中で、損益計算書にも貸借対照表にもキャッシュ・フロー計算書にも記載されていないリスク情報で最も重要なものとして、「継続企業の前提に関する注記」をご紹介しました。
実はこれ以外にも、重要性の高いリスク情報が、決算短信や有価証券報告書には開示されています。今回は、その中から2つをご紹介します。
その1〜財務制限条項に関するリスク情報
まず1つめは、借入金や社債の財務制限条項に関するリスク情報です。
企業が抱えているリスクのうち近年増えているのが、財務制限条項(「コベナンツ」とも呼ばれます)の抵触により借入金や社債を期限前に一括返済しなければならなくなる(これを「期限の利益の喪失」ともいいます)リスクです。
この財務制限条項は、金融機関が融資などを行う際、融資したお金が回収できなくなることを防ぐために設けられているものです。財務制限条項に抵触した場合は、融資先のさらなる経営悪化などにより融資金を回収できなくなる前に、返済期限前であっても回収できるようにしておき、貸し手側のリスクを軽減することが目的です。
具体的には、借り手が契約時に定めた「財務上の一定の要件」を満たさなくなった場合、貸し手は返済期限にかかわらず、融資した金額の返済を要求できる、というのが一般的なものです。
「財務上の一定の要件」には、例えば以下のようなものがあります。
・貸借対照表において、直近の決算期における純資産の額の75%を下回らないこと
・損益計算書において、営業利益、経常利益や当期純利益が赤字にならないこと
したがって、多くのケースでは業績の悪化に伴って赤字決算を余儀なくされたり、繰延税金資産の取り崩しなどにより純資産の額が大幅に減少した場合、財務制限条項に抵触して、期限の利益を喪失する(期限前でも貸し手の要求があればすぐに返済しなければならない)ことになってしまいます。
昨年経営破たんしたみらい建設グループは、2007年3月期に業績悪化により大幅赤字の計上や繰延税金資産の取り崩しをしたことに伴い、純資産の部が大幅に減少し、シンジケートローンの財務制限条項に抵触しました。そして、シンジケート団である金融機関の一部が返済期限延長の同意をしなかったため、資金繰りに行き詰まり、経営破たんしてしまったのです。
この借入金や社債の財務制限条項は、決算書本体を見ただけでは全く分かりません。財務制限条項は、企業によって開示方法が異なるようで、決算書の注記として記載している企業もあれば、決算書より前の経営成績全般の記載の中に、「事業等のリスク」の1つとして記載しているところもあります。
したがって、投資先候補企業の財務制限条項の有無を確認する際は、決算書の注記だけでなく、「事業等のリスク」の箇所も確認するようにしてください。
財務制限条項に抵触すると、資金繰りに窮して経営破たんするリスクが一気に高まりますから、財務制限条項の付された借入金等がある企業については、業績や財政状態についても併せてチェックすべきでしょう。
その2〜「保証債務」に関する注記
2つめにご紹介するのは、「保証債務」に関する注記です。
「保証債務」は、借入金などの債務を保証している相手先が債務の弁済ができない状況になれば、それを肩代わりしなければならないものです。通常、損失が発生する可能性が高くなく、発生が見込まれる損失の額を合理的に計算できないため、決算書本体の数値には反映されていませんが、債務保証している企業にとってもそれを履行すれば損失の発生要因となりますから、リスク要因であることは確かです。
先日経営破たんした不動産業のゼファーは、子会社の借入金に対して債務保証をしていることが決算短信の中の貸借対照表の注記から読み取ることができます。そして、ゼファー本体より数ヶ月前に起きた子会社の倒産により、債務保証を履行する必要が生じて、損失の額を見積もることができるようになったため、最終的なゼファーの貸借対照表には、「債務保証損失引当金」として30億円近くが計上されています。子会社の借入金の肩代わりをしなければならなくなったことが、ゼファーが経営破たんした大きな要因の1つだったのです。
なお、子会社に対する保証債務については、連結の決算書ではなく、単体の決算書をみないと載っていませんから、見逃しのないように十分注意しましょう。
今回ご紹介した2つ以外にも、決算短信や有価証券報告書には、「事業等のリスク」として、企業がかかえるさまざまなリスクが記載されています。企業が事業活動を行うにあたっては、当然色々なリスクがありますから、記載されている内容にそれほど神経質になる必要もありません。ただ、特定の商品への依存度が非常に高いなど、その企業特有のリスクが記載されていることもありますから、投資先企業の選定の際には参考になると思います。
経営破たんの予兆は、確かに決算書の数値を見ればある程度のことは分かります。しかし、前回の「継続企業の前提に関する注記」や、今回ご紹介した「財務制限条項」「保証債務」のように、決算書だけでは見えてこないけれども非常に重要な情報も、企業は開示しています。
株式投資に際して、投資を検討している、あるいはすでに投資をしている企業に、経営破たんにつながるリスクがあるのかどうかを見極めることは非常に重要なことです。そのために、決算書本体の数値のみならず、決算短信や有価証券報告書の注記事項やリスク情報にもこまめに目を通すようにしておきましょう。
公認会計士・税理士・AFP 足立武志
提供:株式会社FP総研
面白いと思った。
ここまで考えて株を買っているのかな?
参考URL:
http://money.jp.msn.com/columnarticle.aspx?ac=2008100800&cc=01&nt=01
決算書に載らないリスク情報を知るには?
2008年10月08日
相次ぐ上場企業の経営破たん。企業の破たんの危険性を見極めるためにも、隠れたリスク情報を活用しましょう。
前回、「銘柄探し、継続企業の前提に関する注記に注目」の中で、損益計算書にも貸借対照表にもキャッシュ・フロー計算書にも記載されていないリスク情報で最も重要なものとして、「継続企業の前提に関する注記」をご紹介しました。
実はこれ以外にも、重要性の高いリスク情報が、決算短信や有価証券報告書には開示されています。今回は、その中から2つをご紹介します。
その1〜財務制限条項に関するリスク情報
まず1つめは、借入金や社債の財務制限条項に関するリスク情報です。
企業が抱えているリスクのうち近年増えているのが、財務制限条項(「コベナンツ」とも呼ばれます)の抵触により借入金や社債を期限前に一括返済しなければならなくなる(これを「期限の利益の喪失」ともいいます)リスクです。
この財務制限条項は、金融機関が融資などを行う際、融資したお金が回収できなくなることを防ぐために設けられているものです。財務制限条項に抵触した場合は、融資先のさらなる経営悪化などにより融資金を回収できなくなる前に、返済期限前であっても回収できるようにしておき、貸し手側のリスクを軽減することが目的です。
具体的には、借り手が契約時に定めた「財務上の一定の要件」を満たさなくなった場合、貸し手は返済期限にかかわらず、融資した金額の返済を要求できる、というのが一般的なものです。
「財務上の一定の要件」には、例えば以下のようなものがあります。
・貸借対照表において、直近の決算期における純資産の額の75%を下回らないこと
・損益計算書において、営業利益、経常利益や当期純利益が赤字にならないこと
したがって、多くのケースでは業績の悪化に伴って赤字決算を余儀なくされたり、繰延税金資産の取り崩しなどにより純資産の額が大幅に減少した場合、財務制限条項に抵触して、期限の利益を喪失する(期限前でも貸し手の要求があればすぐに返済しなければならない)ことになってしまいます。
昨年経営破たんしたみらい建設グループは、2007年3月期に業績悪化により大幅赤字の計上や繰延税金資産の取り崩しをしたことに伴い、純資産の部が大幅に減少し、シンジケートローンの財務制限条項に抵触しました。そして、シンジケート団である金融機関の一部が返済期限延長の同意をしなかったため、資金繰りに行き詰まり、経営破たんしてしまったのです。
この借入金や社債の財務制限条項は、決算書本体を見ただけでは全く分かりません。財務制限条項は、企業によって開示方法が異なるようで、決算書の注記として記載している企業もあれば、決算書より前の経営成績全般の記載の中に、「事業等のリスク」の1つとして記載しているところもあります。
したがって、投資先候補企業の財務制限条項の有無を確認する際は、決算書の注記だけでなく、「事業等のリスク」の箇所も確認するようにしてください。
財務制限条項に抵触すると、資金繰りに窮して経営破たんするリスクが一気に高まりますから、財務制限条項の付された借入金等がある企業については、業績や財政状態についても併せてチェックすべきでしょう。
その2〜「保証債務」に関する注記
2つめにご紹介するのは、「保証債務」に関する注記です。
「保証債務」は、借入金などの債務を保証している相手先が債務の弁済ができない状況になれば、それを肩代わりしなければならないものです。通常、損失が発生する可能性が高くなく、発生が見込まれる損失の額を合理的に計算できないため、決算書本体の数値には反映されていませんが、債務保証している企業にとってもそれを履行すれば損失の発生要因となりますから、リスク要因であることは確かです。
先日経営破たんした不動産業のゼファーは、子会社の借入金に対して債務保証をしていることが決算短信の中の貸借対照表の注記から読み取ることができます。そして、ゼファー本体より数ヶ月前に起きた子会社の倒産により、債務保証を履行する必要が生じて、損失の額を見積もることができるようになったため、最終的なゼファーの貸借対照表には、「債務保証損失引当金」として30億円近くが計上されています。子会社の借入金の肩代わりをしなければならなくなったことが、ゼファーが経営破たんした大きな要因の1つだったのです。
なお、子会社に対する保証債務については、連結の決算書ではなく、単体の決算書をみないと載っていませんから、見逃しのないように十分注意しましょう。
今回ご紹介した2つ以外にも、決算短信や有価証券報告書には、「事業等のリスク」として、企業がかかえるさまざまなリスクが記載されています。企業が事業活動を行うにあたっては、当然色々なリスクがありますから、記載されている内容にそれほど神経質になる必要もありません。ただ、特定の商品への依存度が非常に高いなど、その企業特有のリスクが記載されていることもありますから、投資先企業の選定の際には参考になると思います。
経営破たんの予兆は、確かに決算書の数値を見ればある程度のことは分かります。しかし、前回の「継続企業の前提に関する注記」や、今回ご紹介した「財務制限条項」「保証債務」のように、決算書だけでは見えてこないけれども非常に重要な情報も、企業は開示しています。
株式投資に際して、投資を検討している、あるいはすでに投資をしている企業に、経営破たんにつながるリスクがあるのかどうかを見極めることは非常に重要なことです。そのために、決算書本体の数値のみならず、決算短信や有価証券報告書の注記事項やリスク情報にもこまめに目を通すようにしておきましょう。
公認会計士・税理士・AFP 足立武志
提供:株式会社FP総研


