パレートの法則
パレートの法則。
いろいろな統計をとると結構、この数値にお目見えするそうです。
2対6対2。
何となく、昨年、自分らがやった、グループ論文も5人グループで4対1というか、仕事をあまり一生懸命しなかった1が目立った。
組織のぶら下がり理論とどの辺で折り合いを付けるのか、はたまた、本当に人間にもこの法則が成り立つのか。
参考URL:
http://www.mitsue.co.jp/case/marketing/01.html
パレートの法則
パレートの法則は、別名2:8の法則とも言われます。この法則はいろいろなところで使用されています。全商品の20%が80%の売上を作る、全顧客の20%が全体売上の80%を占める、100の蟻の内、よく働くのは2割だけ、税金を納める上位20%が税金総額の80%を負担している・・・など、さまざまです。
シックスシグマにおいても、重要なキーワードとして活用されています。例えば、商品の品質管理の分野で重点的に改良すべきものを重要なものから順番に10項目あげた場合、まず、その最上位の2つの項目だけを改良する。すると、全体の80%を改良したのと同等の結果が期待できるというものです。要は、「重要なものは僅かしかない」という意味で捉えていただければと思います。
インターネット戦略を実行する上でどのような活用方法が考えられるか?
例として活用方法を挙げてみましょう。
日本人は完璧主義だと言われます。これは大変良いことです。その反面、戦略を実行ベースに移行した時、ついついあれもこれもとなってしまいがちです。そして、最後になって今回の戦略の最も重要ポイントは何だったのか?というようなこともあります。戦略を絞り込めば絞り込むほど、その戦略は成功する確率が高くなります。戦略を実行ベースに移す時は、「大切なものは僅かしかない」と腹をくくり、最重要ポイントから軸を離さないことが重要です。
例えば、顧客満足度調査をします。その中で一番満足度が低いのは誰だと思いますか? 製品やサービスに対して不満を訴える顧客のほとんどは、製品やサービス戦略のターゲットとされていなかった人々が多いのです。逆にいうと、主要顧客は満足しているから主要ユーザとなっているのです。この主要顧客の特性を理解できれば、同じ特性を持つ見込み客を広げることができ、大きな利益が得られます。この主要顧客を捉える時、20%の主要顧客は誰なのか定義すると、アクションプランが立てやすくなります。例えば、主要顧客に対して特典をつけたり、一般客とは違ったサービスを提供したり、「差別化」を図る手段を選択する方法も考えられるかもしれません。
Web運用ベースで継続的改善を行うときの大きな目安になります。上位重要事項を20%特定して改善を行えば、80%改善したと同じ効果が生まれます。実に費用対効果の面でメリットがあるわけです。
このようにパレートの法則を頭に入れておくと、方法論が比較的簡単に見えてくるだけでなく、改善点の絞込みやアイデアの創出に非常に役立つことが考えられます。
*イタリアの経済学者パレートが発見した所得分布の経験則。全体の2割程度の高額所得者が社会全体の所得の約8割を占める,という法則。現在ではほかのさまざまな現象にも適用できると考えられています。
http://premium.nikkeibp.co.jp/bits/bits_column/column_d40_01.shtml
有名な働きアリの観察の研究がある。一生懸命働いているように見えるアリの行列をよく観察すると、働いているアリを横目にただ動き回っているだけのアリたちがいる。彼らは、一見忙しそうに動いているのだが、実は行列に沿って行き来しているだけでエサを担いでいるわけではない。
動いているだけ、“働いているフリ”をしているだけというアリが全体の2割はいるという。働いているアリについてもよく観察してみると、大変よく働くアリと、普通の働きのアリがいる。全体の割合を観察するとよく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、全く働かないアリが2割という構成になるようだ。
次に、よく働くアリだけを一カ所に集めて、新たなアリの組織を作ってみる。すると、なぜかまた働かないアリが出てくる。よく働くアリだけの集団を何度作っても、時間がたつと自然に2:6:2の比率でアリは仕事を分担するようになる。逆に働かないアリだけの集団を作ると、さすがに作業能率は落ちるのだが、それでも働かないアリの集団の中からよく働くアリが2割ほど登場するようだ。
ご存じの方も多いと思うが、この観察研究はビジネスの世界でもよく注目されている。大企業で“デキる”人材だけを集めてスタートした特命プロジェクトが大失敗したり、プロスポーツの世界でスタープレイヤーを集めたチームがまったく優勝にからめなかったりするたびに、この法則はかなり当たっているのではないかという気がしてくる。
“働かないアリ”がいなくなった後の疲弊感
ところでこの研究にはまだ未知の研究分野があるらしい。最近聞いたのだが「どうも働かないアリには組織の中でなんらかの役割があるのではないか」という新しい研究が行われているという話だ。
この話を最初聞いた直後には、「そんなバカなことはないだろう。働かないアリに役割があるなんて」と思ったのだが、すぐに「いや、人間の組織ではこの話は当てはまっているかもしれない」と思い直した。つまり、こういうことである。
僕の取引先企業の多くは、ここ数年の不況を乗り切るためにかなり踏み込んだリストラを実施してきた。組織の中であまり働いていない人を配置転換したり、退職勧告を出したりして人の数を減らしていった。その結果何が起きたか。社内に疲弊感が広がり、徐々に生産性が落ちている部署が増えているように見受けられる。
リストラの理論的根拠の一つに、「2割の人材が残り8割の人材を食わせている」という経験則がある。従業員の行動と企業の利益を分析してみると、利益の8割は2割の従業員からもたらされるというのだ。残りの従業員のうち、6割は自分の給与分を稼ぐのが精一杯。最後の2割は自分の給料を稼ぐどころか利益の足をひっぱっているということになる。これが、いわゆる「パレートの法則」である。
「自分の給料すら稼げない2割の人員がいなくなれば収益力が高まるのではないか」「自分の給料分だけ稼いでいる6割の人員も本当にいる必要があるのか」といった議論が発生した。その結果、収益が悪化した企業から順にこの論理に従って組織の定員を削減しているのだ。単純に考えればよく働く人だけで組織を構成すれば生産性は向上し、働く意欲も向上するはず。ところが、実際の現場ではそうならずに逆に組織が疲弊して生産性が落ちていく傾向がある。
職場環境を揺るがす「人柄」や「感情」
そこで、リストラされてしまった「のんびり働くおやじさん」タイプの人には、実は組織の中で重要な役割があったのではないかという考えが、思い当たってくる。
右肩下がりの数字を突きつけられ、「不要だ」と言われてしまった人には、実は重要な役割があったのではないだろうか。例えば職場での仕事のペースが過剰に上がらないように、ないしは職場の雰囲気がキリキリしないように、数字には表れないような心理的な面で、組織にとってプラスの働きをしていたのではないだろうか。
実はこの話は思いつきだけで話している話ではない。実際に1920年代の米国で「職場の生産性実験」が行われたことがある。有名な「ホーソン実験」というものだ。例えば、工場の生産性を科学的に解明しようとした実験では、物理的に職場環境を変えてみて、それが生産性に影響を与えるかどうかを測定した。例えば、照明器具を明るくするのと暗くするので生産性がどのように変わるかなどを調べたのである。
その結果、二つのことが分かった。一つは物理的な職場環境の違いで生産性が変わることはあまりないらしいということ。仕事に差しさわりのない程度の明るさであれば、照明によって生産性が変わるわけではない。同様に壁の色が白くても黄色くても黒くても生産性は変化しない。
二つ目は、唯一、生産性を大きく変える要素が発見されたこと。それは、「職長の人柄」である。同じ生産ラインの職長を入れ替えると、それまで生産性が低かったラインの生産性が上がったり、逆に下がったりすることが分かったのだ。
1920年代当時はまだ、P.F.ドラッカーの言う「科学的なマネジメント」が発見される以前の時代である。職長の差というのは、指示の出し方の違いというよりは人柄の違いによるところが大きかったそうだ。その頃になって初めて、「働く人間の感情をマネジメントすることが工場という職場にとっては重要」なのではないかという認識が生まれたのである。
そこで立ち戻って考えてみると、現代の職場では働く人々の「感情」や、それに大きく影響をもたらす「人柄」という要素は、経営計画立案の要素からは外されてしまっている。
人事戦略ならばどうかというと、これについても通常の企業であれば「人柄」をあまり重視しているとは言えないだろう。スキルや業績といった尺度だけで「社員」を測定してパレートの法則どおりに並べていく。その結果、「感情」や「人柄」を職場から切り捨ててしまっているのではないか。
職場環境を揺るがす「人柄」や「感情」
映画でもドラマでも脇役が存在しない脚本には魅力がない。『水戸黄門』には格さん助さんだけではなく“うっかり八兵衛”が必要である。「ハリー・ポッター」シリーズには、ロンやハーマイオニーだけでなく“ネビル・ロングボトム”が出てこないと気持ちは落ち着かない。『ハウルの動く城』に“ヒン”が登場しないとドキドキするばかりでダメなのである。
つまり、組織には偉大なる脇役たちがいないと、脈拍があがりっぱなし、アドレナリンが出っ放しになってしまい、組織は徐々に疲弊していくのではないか、というのが僕の観察なのである。
もちろん、この話はまだ壮大な仮説でしかない。新しいアリの研究もまだ研究結果を僕は見たわけではないし、最近の疲弊している大企業のリストラ“後”組織の研究もまだそれほど多くはない。しかし、現代の職場は何かおかしくなってしまったという感覚は皆さんお持ちだろうと思う、どうだろうか。
そして、経営学においては理論よりもこれらの感覚の方が、真実の的を射ているというケースは実際に多いのである。
参考URL:
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/flash_rss/357640
“働かないアリ”と組織における“脇役”を考える
有名な働きアリの観察の研究がある。一生懸命働いているように見えるアリの行列をよく観察すると、働いているアリを横目にただ動き回っているだけのアリたちがいる。彼らは、一見忙しそうに動いているのだが、実は行列に沿って行き来しているだけでエサを担いでいるわけではない。
動いているだけ、“働いているフリ”をしているだけというアリが全体の2割はいるという。働いているアリについてもよく観察してみると、大変よく働くアリと、普通の働きのアリがいる。全体の割合を観察するとよく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、全く働かないアリが2割という構成になるようだ。
次に、よく働くアリだけを一カ所に集めて、新たなアリの組織を作ってみる。すると、なぜかまた働かないアリが出てくる。よく働くアリだけの集団を何度作っても、時間がたつと自然に2:6:2の比率でアリは仕事を分担するようになる。逆に働かないアリだけの集団を作ると、さすがに作業能率は落ちるのだが、それでも働かないアリの集団の中からよく働くアリが2割ほど登場するようだ。
ご存じの方も多いと思うが、この観察研究はビジネスの世界でもよく注目されている。大企業で“デキる”人材だけを集めてスタートした特命プロジェクトが大失敗したり、プロスポーツの世界でスタープレイヤーを集めたチームがまったく優勝にからめなかったりするたびに、この法則はかなり当たっているのではないかという気がしてくる。
■“働かないアリ”がいなくなった後の疲弊感
ところでこの研究にはまだ未知の研究分野があるらしい。最近聞いたのだが「どうも働かないアリには組織の中でなんらかの役割があるのではないか」という新しい研究が行われているという話だ。
この話を最初聞いた直後には、「そんなバカなことはないだろう。働かないアリに役割があるなんて」と思ったのだが、すぐに「いや、人間の組織ではこの話は当てはまっているかもしれない」と思い直した。つまり、こういうことである。
僕の取引先企業の多くは、ここ数年の不況を乗り切るためにかなり踏み込んだリストラを実施してきた。組織の中であまり働いていない人を配置転換したり、退職勧告を出したりして人の数を減らしていった。その結果何が起きたか。社内に疲弊感が広がり、徐々に生産性が落ちている部署が増えているように見受けられる。
リストラの理論的根拠の一つに、「2割の人材が残り8割の人材を食わせている」という経験則がある。従業員の行動と企業の利益を分析してみると、利益の8割は2割の従業員からもたらされるというのだ。残りの従業員のうち、6割は自分の給与分を稼ぐのが精一杯。最後の2割は自分の給料を稼ぐどころか利益の足をひっぱっているということになる。これが、いわゆる「パレートの法則」である。
いろいろな統計をとると結構、この数値にお目見えするそうです。
2対6対2。
何となく、昨年、自分らがやった、グループ論文も5人グループで4対1というか、仕事をあまり一生懸命しなかった1が目立った。
組織のぶら下がり理論とどの辺で折り合いを付けるのか、はたまた、本当に人間にもこの法則が成り立つのか。
参考URL:
http://www.mitsue.co.jp/case/marketing/01.html
パレートの法則
パレートの法則は、別名2:8の法則とも言われます。この法則はいろいろなところで使用されています。全商品の20%が80%の売上を作る、全顧客の20%が全体売上の80%を占める、100の蟻の内、よく働くのは2割だけ、税金を納める上位20%が税金総額の80%を負担している・・・など、さまざまです。
シックスシグマにおいても、重要なキーワードとして活用されています。例えば、商品の品質管理の分野で重点的に改良すべきものを重要なものから順番に10項目あげた場合、まず、その最上位の2つの項目だけを改良する。すると、全体の80%を改良したのと同等の結果が期待できるというものです。要は、「重要なものは僅かしかない」という意味で捉えていただければと思います。
インターネット戦略を実行する上でどのような活用方法が考えられるか?
例として活用方法を挙げてみましょう。
日本人は完璧主義だと言われます。これは大変良いことです。その反面、戦略を実行ベースに移行した時、ついついあれもこれもとなってしまいがちです。そして、最後になって今回の戦略の最も重要ポイントは何だったのか?というようなこともあります。戦略を絞り込めば絞り込むほど、その戦略は成功する確率が高くなります。戦略を実行ベースに移す時は、「大切なものは僅かしかない」と腹をくくり、最重要ポイントから軸を離さないことが重要です。
例えば、顧客満足度調査をします。その中で一番満足度が低いのは誰だと思いますか? 製品やサービスに対して不満を訴える顧客のほとんどは、製品やサービス戦略のターゲットとされていなかった人々が多いのです。逆にいうと、主要顧客は満足しているから主要ユーザとなっているのです。この主要顧客の特性を理解できれば、同じ特性を持つ見込み客を広げることができ、大きな利益が得られます。この主要顧客を捉える時、20%の主要顧客は誰なのか定義すると、アクションプランが立てやすくなります。例えば、主要顧客に対して特典をつけたり、一般客とは違ったサービスを提供したり、「差別化」を図る手段を選択する方法も考えられるかもしれません。
Web運用ベースで継続的改善を行うときの大きな目安になります。上位重要事項を20%特定して改善を行えば、80%改善したと同じ効果が生まれます。実に費用対効果の面でメリットがあるわけです。
このようにパレートの法則を頭に入れておくと、方法論が比較的簡単に見えてくるだけでなく、改善点の絞込みやアイデアの創出に非常に役立つことが考えられます。
*イタリアの経済学者パレートが発見した所得分布の経験則。全体の2割程度の高額所得者が社会全体の所得の約8割を占める,という法則。現在ではほかのさまざまな現象にも適用できると考えられています。
http://premium.nikkeibp.co.jp/bits/bits_column/column_d40_01.shtml
有名な働きアリの観察の研究がある。一生懸命働いているように見えるアリの行列をよく観察すると、働いているアリを横目にただ動き回っているだけのアリたちがいる。彼らは、一見忙しそうに動いているのだが、実は行列に沿って行き来しているだけでエサを担いでいるわけではない。
動いているだけ、“働いているフリ”をしているだけというアリが全体の2割はいるという。働いているアリについてもよく観察してみると、大変よく働くアリと、普通の働きのアリがいる。全体の割合を観察するとよく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、全く働かないアリが2割という構成になるようだ。
次に、よく働くアリだけを一カ所に集めて、新たなアリの組織を作ってみる。すると、なぜかまた働かないアリが出てくる。よく働くアリだけの集団を何度作っても、時間がたつと自然に2:6:2の比率でアリは仕事を分担するようになる。逆に働かないアリだけの集団を作ると、さすがに作業能率は落ちるのだが、それでも働かないアリの集団の中からよく働くアリが2割ほど登場するようだ。
ご存じの方も多いと思うが、この観察研究はビジネスの世界でもよく注目されている。大企業で“デキる”人材だけを集めてスタートした特命プロジェクトが大失敗したり、プロスポーツの世界でスタープレイヤーを集めたチームがまったく優勝にからめなかったりするたびに、この法則はかなり当たっているのではないかという気がしてくる。
“働かないアリ”がいなくなった後の疲弊感
ところでこの研究にはまだ未知の研究分野があるらしい。最近聞いたのだが「どうも働かないアリには組織の中でなんらかの役割があるのではないか」という新しい研究が行われているという話だ。
この話を最初聞いた直後には、「そんなバカなことはないだろう。働かないアリに役割があるなんて」と思ったのだが、すぐに「いや、人間の組織ではこの話は当てはまっているかもしれない」と思い直した。つまり、こういうことである。
僕の取引先企業の多くは、ここ数年の不況を乗り切るためにかなり踏み込んだリストラを実施してきた。組織の中であまり働いていない人を配置転換したり、退職勧告を出したりして人の数を減らしていった。その結果何が起きたか。社内に疲弊感が広がり、徐々に生産性が落ちている部署が増えているように見受けられる。
リストラの理論的根拠の一つに、「2割の人材が残り8割の人材を食わせている」という経験則がある。従業員の行動と企業の利益を分析してみると、利益の8割は2割の従業員からもたらされるというのだ。残りの従業員のうち、6割は自分の給与分を稼ぐのが精一杯。最後の2割は自分の給料を稼ぐどころか利益の足をひっぱっているということになる。これが、いわゆる「パレートの法則」である。
「自分の給料すら稼げない2割の人員がいなくなれば収益力が高まるのではないか」「自分の給料分だけ稼いでいる6割の人員も本当にいる必要があるのか」といった議論が発生した。その結果、収益が悪化した企業から順にこの論理に従って組織の定員を削減しているのだ。単純に考えればよく働く人だけで組織を構成すれば生産性は向上し、働く意欲も向上するはず。ところが、実際の現場ではそうならずに逆に組織が疲弊して生産性が落ちていく傾向がある。
職場環境を揺るがす「人柄」や「感情」
そこで、リストラされてしまった「のんびり働くおやじさん」タイプの人には、実は組織の中で重要な役割があったのではないかという考えが、思い当たってくる。
右肩下がりの数字を突きつけられ、「不要だ」と言われてしまった人には、実は重要な役割があったのではないだろうか。例えば職場での仕事のペースが過剰に上がらないように、ないしは職場の雰囲気がキリキリしないように、数字には表れないような心理的な面で、組織にとってプラスの働きをしていたのではないだろうか。
実はこの話は思いつきだけで話している話ではない。実際に1920年代の米国で「職場の生産性実験」が行われたことがある。有名な「ホーソン実験」というものだ。例えば、工場の生産性を科学的に解明しようとした実験では、物理的に職場環境を変えてみて、それが生産性に影響を与えるかどうかを測定した。例えば、照明器具を明るくするのと暗くするので生産性がどのように変わるかなどを調べたのである。
その結果、二つのことが分かった。一つは物理的な職場環境の違いで生産性が変わることはあまりないらしいということ。仕事に差しさわりのない程度の明るさであれば、照明によって生産性が変わるわけではない。同様に壁の色が白くても黄色くても黒くても生産性は変化しない。
二つ目は、唯一、生産性を大きく変える要素が発見されたこと。それは、「職長の人柄」である。同じ生産ラインの職長を入れ替えると、それまで生産性が低かったラインの生産性が上がったり、逆に下がったりすることが分かったのだ。
1920年代当時はまだ、P.F.ドラッカーの言う「科学的なマネジメント」が発見される以前の時代である。職長の差というのは、指示の出し方の違いというよりは人柄の違いによるところが大きかったそうだ。その頃になって初めて、「働く人間の感情をマネジメントすることが工場という職場にとっては重要」なのではないかという認識が生まれたのである。
そこで立ち戻って考えてみると、現代の職場では働く人々の「感情」や、それに大きく影響をもたらす「人柄」という要素は、経営計画立案の要素からは外されてしまっている。
人事戦略ならばどうかというと、これについても通常の企業であれば「人柄」をあまり重視しているとは言えないだろう。スキルや業績といった尺度だけで「社員」を測定してパレートの法則どおりに並べていく。その結果、「感情」や「人柄」を職場から切り捨ててしまっているのではないか。
職場環境を揺るがす「人柄」や「感情」
映画でもドラマでも脇役が存在しない脚本には魅力がない。『水戸黄門』には格さん助さんだけではなく“うっかり八兵衛”が必要である。「ハリー・ポッター」シリーズには、ロンやハーマイオニーだけでなく“ネビル・ロングボトム”が出てこないと気持ちは落ち着かない。『ハウルの動く城』に“ヒン”が登場しないとドキドキするばかりでダメなのである。
つまり、組織には偉大なる脇役たちがいないと、脈拍があがりっぱなし、アドレナリンが出っ放しになってしまい、組織は徐々に疲弊していくのではないか、というのが僕の観察なのである。
もちろん、この話はまだ壮大な仮説でしかない。新しいアリの研究もまだ研究結果を僕は見たわけではないし、最近の疲弊している大企業のリストラ“後”組織の研究もまだそれほど多くはない。しかし、現代の職場は何かおかしくなってしまったという感覚は皆さんお持ちだろうと思う、どうだろうか。
そして、経営学においては理論よりもこれらの感覚の方が、真実の的を射ているというケースは実際に多いのである。
参考URL:
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/flash_rss/357640
“働かないアリ”と組織における“脇役”を考える
有名な働きアリの観察の研究がある。一生懸命働いているように見えるアリの行列をよく観察すると、働いているアリを横目にただ動き回っているだけのアリたちがいる。彼らは、一見忙しそうに動いているのだが、実は行列に沿って行き来しているだけでエサを担いでいるわけではない。
動いているだけ、“働いているフリ”をしているだけというアリが全体の2割はいるという。働いているアリについてもよく観察してみると、大変よく働くアリと、普通の働きのアリがいる。全体の割合を観察するとよく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、全く働かないアリが2割という構成になるようだ。
次に、よく働くアリだけを一カ所に集めて、新たなアリの組織を作ってみる。すると、なぜかまた働かないアリが出てくる。よく働くアリだけの集団を何度作っても、時間がたつと自然に2:6:2の比率でアリは仕事を分担するようになる。逆に働かないアリだけの集団を作ると、さすがに作業能率は落ちるのだが、それでも働かないアリの集団の中からよく働くアリが2割ほど登場するようだ。
ご存じの方も多いと思うが、この観察研究はビジネスの世界でもよく注目されている。大企業で“デキる”人材だけを集めてスタートした特命プロジェクトが大失敗したり、プロスポーツの世界でスタープレイヤーを集めたチームがまったく優勝にからめなかったりするたびに、この法則はかなり当たっているのではないかという気がしてくる。
■“働かないアリ”がいなくなった後の疲弊感
ところでこの研究にはまだ未知の研究分野があるらしい。最近聞いたのだが「どうも働かないアリには組織の中でなんらかの役割があるのではないか」という新しい研究が行われているという話だ。
この話を最初聞いた直後には、「そんなバカなことはないだろう。働かないアリに役割があるなんて」と思ったのだが、すぐに「いや、人間の組織ではこの話は当てはまっているかもしれない」と思い直した。つまり、こういうことである。
僕の取引先企業の多くは、ここ数年の不況を乗り切るためにかなり踏み込んだリストラを実施してきた。組織の中であまり働いていない人を配置転換したり、退職勧告を出したりして人の数を減らしていった。その結果何が起きたか。社内に疲弊感が広がり、徐々に生産性が落ちている部署が増えているように見受けられる。
リストラの理論的根拠の一つに、「2割の人材が残り8割の人材を食わせている」という経験則がある。従業員の行動と企業の利益を分析してみると、利益の8割は2割の従業員からもたらされるというのだ。残りの従業員のうち、6割は自分の給与分を稼ぐのが精一杯。最後の2割は自分の給料を稼ぐどころか利益の足をひっぱっているということになる。これが、いわゆる「パレートの法則」である。


