あるといえばある、無いといえばない。
統計のデータの取り方次第で、どうにでもなる議論。
何を信じるかは勝手ですが。
引用URL:
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20081201-01/1.htm
やっぱりあった学力テストと日教組の“相関関係”
2008年12月1日(月)0時0分配信 SAPIO
掲載: SAPIO 2008年11月26日号
文=高崎経済大学教授、日本教育再生機構理事長 八木秀次
「教育ニュース」が連日のように新聞・テレビを賑わし、数だけでなく、その質までもが我々世代と大きく変わり果ててしまっている。こんな教育に誰がしたのか。物議を醸した中山前国交相の「日教組発言」から問い直す。
日教組やそのシンパのメディアは火消しに必死だ。しかし一旦放たれた火は騒げば騒ぐほど広がり、燎原の火となって日教組やそれを有力支持母体とする民主党を焼き払っていくだろう。一連の“失言”で国土交通大臣を辞任した中山成彬衆議院議員の「日教組発言」のことだが、同時に行なった「成田ゴネ得」「単一民族」発言は撤回し謝罪したものの、「日教組は教育の癌」「日教組をぶっ壊せ」などの発言に関しては撤回するつもりはなく、むしろ「(日教組をぶっ壊す)運動の先頭に立ちたい」と中山氏のボルテージは上がるばかりだ。
中でも注目されたのは「日教組の強いところは学力が低い」という発言だ。中山氏は大分県の教員不正採用問題に言及して「大分県教育委員会の体たらくなんて日教組(が原因)ですよ。日教組の子供なんて成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低い」と発言し、文部科学大臣時代に復活させた全国学力テストについても「私がなぜ学力テストを提唱したかといえば、日教組の強いところは学力が低いんじゃないかと思ったから」と述べた。実はこれらの発言は一々正しい。
実際、大分の事件でわが子を不正採用させた校長らは、いずれも日教組出身であったし、教育委員会で現場の教員を指導する「指導主事」の試験を受けるには「組合の推薦が必要」など県教委と組合との癒着関係が長年続いていたことや、不正採用には教職員組合の働きかけもあったことは、県教委の教育行政改革プロジェクトチームが公表した『調査結果報告書〜大分県教員採用選考試験等に係る贈収賄事件を受けて〜』にも明記されている。大分の全国学力テストの順位は第40位だ。
しかし「日教組の強いところは学力が低い」との発言はよほど関係者の癇に障ったのか、早々に『朝日新聞』は中山氏の「現にそうだよ。調べてごらん」との発言を逆手にとって「中山説『日教組強いと学力低い』 大臣ズレてます 調べたら無関係」との大見出しを付けた記事(9月27日付)を掲載した。
「データをたどってみると、成績トップの秋田の日教組の小中学校組織率が5割超で全国平均(34・1%)を大きく超えるなど、全国的な相関関係はうかがえない」というものだが、論点をずらした意図的な記事だ。
中山氏は日教組の「強さ」と学力との相関関係について言及したのだが、この記事は「強さ」を勝手に組織率に置き換え、相関関係はうかがえないとする。しかし記事が「『中山説』に合わない」とする、組織率は高く学力テストの正答率も高い秋田・福井・富山・静岡・愛知の各県の「日教組」は、日教組本部が展開するような階級闘争的あるいは反国家的な姿勢とは無縁の、穏健で互助会的な組織として知られている。
組織率では見えない日教組の強さ
例えば学力テスト第1位の秋田は昭和40年代に組合員の中から教育正常化運動が起こり、以後はイデオロギー色の薄い活動に終始し、中央本部の否定する道徳教育も充実しているし、国旗国歌についても学習指導要領に沿ってきちんと指導している。第2位の福井も組織率が群を抜いて高い(90%)のは校長・教頭といった管理職も加入しているからだが、管理職と教員との対立もなく、以前から独自の学力調査を毎年実施している。平成16〜18年の3年間で国旗国歌に反対して処分された教員は全国で計247人に上るが、両県は一人もいない。
あまり知られていないが、日教組は各都道府県組織の連合体だ。中央本部は依然過激なイデオロギー色の強い闘争的な姿勢を示すが、県によっては穏健な保守色の強いところもある。『朝日』が「『中山説』に合わない」とする組織率も高く学力も高い各県はその代表例の「弱い」県だ。
記事が意図的なのは同じく「『中山説』に合わない」として組織率が低く学力テストの成績も振るわない道府県として大阪と高知を挙げていることだ。第1に高知は学力テストの結果が第46位と振るわなかったが、平成元年に日教組から分かれた共産党系の全教(全日本教職員組合)の拠点地域として知られている。同様に和歌山も全教の拠点だが、学力テストは第41位。中山氏が全教を含めて左翼色の強い教職員組合の代名詞として「日教組」と言っているのであれば、そのような組合が強いところは「学力が低い」。
第2に大阪は日教組の組織率は3割弱だが、全教も強い。その大阪では中山発言は「本質を突いている」と発言した橋下徹知事と府民が教育問題について意見を交わす討論会で、知事が発言するたびに現場教員らからの野次と怒号がやまず、会場は終始騒然とした雰囲気だったという。
中山氏も「大阪の日教組は強いんですよ。私が文部科学大臣のとき、大阪の学校訪問に行きたいといったけれど、どこも受け入れてくれなかった。日教組が反対してね。ひどいのは、そのあと僕は校長先生に個人的に会ったんですよ。みんなもうくたびれ果ててるんですね。毎日、日教組に突き上げられて大変だと。だから校長先生のなり手がいないんだって」と発言している(『産経新聞』電子版10月1日付)。要は「強さ」とは組織率のことではない。質の問題、闘争的な人々がどれだけ全体に影響力を持っているのかということだ。大阪の学力テスト順位は第44位だ。
ご覧の通り、『朝日』の記事は何の説得力もない。少し検証してみるだけで「日教組の強いところは学力が低い」という中山発言は全く正しいことが分かってくる。橋下大阪府知事は先の討論会で教員らの野次がやまない中で「中山前国交相の発言こそ、まさに正しいじゃないですか」と発言している。国政レベルでも町村信孝前官房長官、森喜朗元首相、塩谷立文科相、森山眞弓元文相など中山発言支持の声が相次いでいる。
相関関係が現われる3つの理由
日教組中央本部は『朝日』の記事に呼応するかのように9月28日、岡本泰良書記長名で「日教組に対する誤った偏見に基づく誹謗・中傷発言は、断じて容認できない」「『日教組の強いところは学力が低い』発言は何の根拠もなく、学力調査結果からも相関関係はないことは、明確になっている」「日教組は、改めて一連の発言に対して強く抗議するとともに、発言の撤回・謝罪を強く求める」という抗議文を発表している。やはり「日教組の強いところは学力が低い」との中山発言にはよほど困ったと見える。全国順位という数字となって表われたがゆえにそこに相関関係はないと必死で火消しに努める様が読み取れる。
しかし「日教組(日教組・全教)」の「強さ」と学力に相関関係があることは多くの国民が肌で感じていたことだ。それが学力テストの順位となって表われたから彼らはあわてているのだ。日教組は学力テストの全国悉皆調査はやめ、サンプル調査にするよう求めている。あるいは市町村別、学校別の結果公表をやめさせるべく教育委員会に圧力を掛けている。直接に組合活動と学力との間に相関関係があることが明らかにされることを恐れてのことだ。
組合活動と学力との間に相関関係があるのは、第1に自らの勤労条件の改善などに懸命では子供たちに目が向かなくなるからだ。第2に特定のイデオロギーや政治的主張を子供たちに吹き込むのに一生懸命で本当に必要な「教育」を行なわなくなるからだ。日教組本部が発行する『日教組 政策制度要求と提言 2007〜2008年度版』(07年3月)には在日米軍基地の整理・縮小・撤去、自衛隊の縮小・改編、定住外国人の地方参政権、「人権侵害救済法」の制定、ジェンダーフリー、夫婦別姓、性教育の充実などありとあらゆる左翼市民団体の主張が掲載されている。これらは当然、学校現場でもあらゆる機会を捉えて子供たちに吹き込まれている。反面、日本国民として必要な基礎学力や規範意識を身につけることが疎かにされる。学力が低くなるのも当然だ。第3に日教組が年来主張し今では文部科学省も取り入れている「子ども中心主義」という教育観に立脚するため、子供の自主性・主体性・個性ばかりが尊重され、教育に不可欠な強制を排除する。同様に競争を排除し、進学指導でさえ「選別」「差別」に当たるなどと否定してきたからだ。相関関係がないと考える方が不自然だろう。
次期総選挙は政権選択選挙と言われる。日教組は民主党の有力支持母体だ。選挙互助会とも称される民主党には右から左までの多様な議員がいる。仮に保守系候補者に投票しても、民主党政権になれば、結果として日教組は力を持つ。候補者の資質の問題ではないということだ。このあたりをも考慮して投票行動をとるべきだろう。そのためにも日教組問題を含む教育問題を選挙の争点にするべきだ。
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